東京都立大泉高等学校でデータサイエンス教育の出張講義を実施(2026年度)

2026年7月13日(月)、東京都立大泉高等学校(東京都練馬区)にて、1年生150名を対象に「総合的な探究の時間」内でデータサイエンスの出張講義を実施しました。担当は佐野 遼太郎 特任助教です。

講義内容

今回の講義は、総合的な探究の時間を活用し「実践データサイエンス」というテーマで実施しました。生徒たちがプログラミングやデータサイエンスを身近に感じられるよう、以下の実践的な内容を行いました。

実習内容

(1) Python入門とプログラミングの基礎
四則演算や変数の概念など必要最低限の知識を、Google Colaboratoryを使って体験。「わからなかったら検索する」「まずは動かしてみる」という、実際に手を動かしながら学ぶ姿勢を重視した導入を行いました。

(2) ファッションサイトの情報取得
ファッションサイトから商品情報を自動取得するWebスクレイピングを体験。「一番安い商品」を検索するプログラムを作成し、「3回以上やる作業は自動化できる」という考え方にも触れました。

(3) 骨格認識AIで遊ぼう
骨格推定AI(YOLOv8)で人物の関節位置を自動検出する体験を実施。4〜5人のグループで、AIに「人間である確率」をなるべく低く判定させるポーズを競い合い、他校の記録との共通ランキングの更新を目指しました。

(4) 数理最適化バトル
的中確率・配当が異なる3つの選択肢から、100万回分の試行データをもとに仮想資産10万円を運用するシミュレーションを実施。最良の結果をクラス代表が全国ランキングに入力して他校と競い合いました。最後に最適な賭け割合を導く「ケリー基準」を解説し、関数の最大化が災害時の医療リソース配分にも応用できることを紹介しました。

さらに、「マッチング理論」(研修医と病院のマッチングなど)や「最適停止問題」(就活での内定判断など)を紹介し、進路選択にもつながる数学の実用性を伝えました。

生徒からの感想(一部抜粋)

「身近なサイトやデータを使って体験することで、一気に興味がわいた。」
「数学の関数の最大化が、災害時の医療リソース配分にもつながると聞いて、学ぶ意味が少しわかった気がした。」
「進路選択のような身近な意思決定にも数学の考え方が使えると知り、イメージが変わった。」

講師からのコメント

150名・4クラスという規模での実施は初めての試みでしたが、生徒の皆さんが主体的に手を動かし、クラス対抗のランキングを意識しながら競い合う姿が印象的でした。数理最適化の考え方は、災害時の医療リソース配分といった社会課題から進路選択のような身近な意思決定まで、幅広く応用できます。今回の体験が、生徒の皆さんの探究活動や将来の進路選択の一助となれば幸いです。

おわりに

グループでの骨格認識AIの挑戦や数理最適化バトルでは、普段以上に活発な競争と交流が生まれました。データサイエンスや数学が、日常の自動化から進路選択、社会課題まで幅広く応用できることを、生徒の皆さんに実感してもらえる機会になったのではないかと思います。

今後も電気通信大学データ教育センターでは、より多くの中学・高校生がデータの力を体験し、将来の可能性を広げられるよう、出張講義や教材開発に取り組んでまいります。

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